深夜電力を使いお湯を沸かすエコキュートは、オール電化住宅のための設備と思う方は多いでしょう。
ですが、エコキュートとプロパンガスを併用する家庭もあります。
今回は、エコキュートとプロパンガスを、それぞれの特徴や併用するメリットについてまとめます。
目次
エコキュートは「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」が正式名称で、自然冷媒である二酸化炭素を活用しお湯を沸かす装置です。
ヒートポンプという装置で湯を沸かし、沸かした湯を備え付けのタンクに貯めます。
177~550リットルと大容量のタンクを備えており、ここに熱湯に近い湯が溜まります。
エコキュートは溜まっている湯を希釈してお風呂やキッチン、洗面所などに給湯します。
このため、複数の場所で同時に湯を使用しても湯温や水圧が下がりにくいというメリットをもっています。
また、万が一災害が発生し断水してしまったとしても、タンクには大容量の湯が溜まっているため安心です。
エコキュートが湯を沸かす時間帯は、主に深夜です。
電気代が比較的安い深夜電力を活用することで、少ない光熱費で湯が沸かせます。
一般的にガス給湯器ではひと月6,000~7,000円ほどかかるといわれているランニングコストですが、エコキュートは1,800~2,000円程度です。
ランニングコストだけみると、かなりお財布に優しい設備といえますね。
ランニングコストだけみると低コストといえるエコキュートですが、設備導入時は40~80万円ほどかかります。
ガス給湯器とエコキュートのランニングコストの差が5,000~6,000円ほどなので、年間で6~7万円ほどの差となります。
10年ほどエコキュートを活用すれば、初期費用が回収できる計算にはなります。
長い目で見れば低コストとなるエコキュートですが、初期費用が高い点は大きなデメリットでしょう。
また、深夜の電気代が安いプランに加入すれば1,800~2,000円程度のランニングコストとなりますが、その分昼間の電気代が高くなる場合があります。
昼間の消費電力が多い家庭の場合、トータルの電気代が高くなる場合もあります。
深夜の電気代が安いプランがない場合も、ランニングコストが高くなる可能性があります。
エコキュートとガスの併用を考える場合、ガスを使用するシーンはコンロになるでしょう。
そこで今回は、コンロで使用する場合に焦点を当ててメリットやデメリットをまとめます。
プロパンガスは熱効率が高いため、高火力での調理が可能です。
湯を沸かす場合もIHクッキングヒーターや都市ガスに比べ早く沸騰します。
IHクッキングヒーターでは使用できない調理器具がありますが、ガスなら制限はほとんどありません。
今までガスコンロを使用していた方なら、買い替えずに済みます。
プロパンガスは、ガスボンベとガス器具さえあれば使用できます。
また、すでに宅内にガス配管設備が引き込まれていれば、初期費用はほとんど不要です。
多くのケースでガス配管は、すでに宅内に引き込まれていますが、この配管費用はガス会社が負担している場合がほとんどです。
このため、プロパンガスの使用料金にはガス配管などの使用料が含まれていることが多くなります。
適正価格といわれる価格よりもガス代が高い場合は、この使用料が上乗せされていると考えられます。
プロパンガスが高いといわれる理由はこの点にあります。
また、プロパンガスは事業者が自由に料金を決められます。
突然値上げになるケースもあります。
ここからは、併用する場合のメリットやデメリットについてまとめます。
プロパンガスのみで給湯や調理を賄う場合、月々の料金の60~70%は給湯に使用する分といわれます。
つまり、ガス代の大半を占める給湯を電化することで、ガス代は大幅に下がります。
深夜電力を安い料金プランにすることで、エコキュートのランニングコストは下げられますので、給湯にかかる費用が大幅に下がります。
深夜電力を安くするプランは、その分昼間の電気代が高くなりがちです。
日中自宅にいて調理する機会が多い場合には、IHクッキングヒーターにしてしまうとランニングコストが上がる可能性があります。
プロパンガスを使用し調理する場合には、時間帯によりランニングコストが上がることはありません。
時間を気にせず調理できますね。
最大のデメリットは、ガスと電気の両方の費用が必要となる点です。
ガスも電気も使用しなくても、基本料金が必要です。
一般的に給湯もガスを利用した場合のガス代が10,000円を超える場合は、オール電化またはエコキュート併用で経済的なメリットが出るといわれています。
ですが、もともとガス代が4,000~5,000円程だった場合には、経済的なメリットはなく、負担が高まります。
エコキュート導入の際は、オール電化が必要と考える人は多いと思いますが、プロパンガスとの併用も可能です。
調理は高火力のプロパンガスを使い続けたいという希望も叶います。
初期費用やランニングコストなどを考えた上で、検討していただければと思います。
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