家庭で使用するエネルギーといえば、ガスや電力が一般的でしょう。
ガスと電力の両方を使用するか、電力だけにしてしまうか迷っている家庭があるかもしれません。
使用エネルギーを電力のみにすると、どうなるのでしょうか。
今回は、特にプロパンガスを使用しているという家庭が、オール電化にするときに絞って解説します。
目次
プロパンガスと電力を両方使用している場合と、オール電化にした場合とでは、光熱費はどう変わるのでしょうか。
プロパンガスと電力を併用する場合を、まずはみていきましょう。
プロパンガスは、地域や会社によって料金が変わります。
全国平均をみてみると、基本料金が1,650~1,760円、ガス代は1立方メートルで308~528円です。
例えば、10立方メートルのガスを使用した場合、6,500~8,000円程の料金がかかります。
次に電力の場合です。
電力も今さまざまな会社が参入しているため、会社により料金が変わります。
東京電力の場合で3人世帯だと消費電力が少ない月で13,000円程、消費電力が多い月で16,000円程が平均です。
ガスと電力の併用では、この2つの料金を合算したものが光熱費になります。
そのため19,500~23,000円程度となります。
オール電化住宅だと、プロパンガスがなくなります。
また、オール電化住宅では、一般的にエコキュートを給湯設備として導入するため、夜間の使用電力が高くなります。
このため、夜間の使用電力を低く設定した電気料金プランを選択する家庭が一般的です。
オール電化対応プランを導入している電力会社の平均電気代をみると、ひと月16,000円程です。
光熱費をみると、プロパンガスと電力併用からオール電化に変えることで、光熱費は下がることが分かります。
すでにプロパンガスを利用している家庭がオール電化にするときには、次のようなコストがかかります。
プロパンガスが充填されているタンクから、実際にガスを使用する器具までは、ガス管が配管されています。
ガス配管は、住宅建築時にすでに設置されていますが、ガス配管の設置費用はガス会社が支払っているケースが多くなります。
利用者は10~15年かけて工事費用をガス料金に上乗せする形で少しずつ支払うのが一般的です。
このため、プロパンガスの利用を停止する場合はガス配管の設置費用の残額の生産を求められることがあります。
ガス配管の工事費用は15万円程度です。
屋外のガス器具などは基本的には撤去費用はかかりませんが、契約時に撤去費用が明示されている場合もあります。
撤去費用は1~2万円程度です。
オール電化にする場合に、エコキュートやIHクッキングヒーターなどを設置する必要があります。
これらの機器は、AC200Vという電源を使用するため配線工事が必要です。
エコキュートは50~80万円程度、IHクッキングヒーターや10~30万円程度のコストがかかります。
エコキュートやIHクッキングヒーターを導入する場合、消費電力が大きくなるため、分電盤の交換工事も必要となるケースが多くなります。
交換工事は、5~10万円程度かかります。
プロパンガスとオール電化は、どちらが良いとはっきりと分けることはできません。
それぞれのメリットやデメリットがあるためです。
プロパンガスからオール電化に変える前に、それぞれのメリットやデメリットを把握しておくと良いでしょう。
一般的に使われているエネルギーの中で、プロパンガスは災害に強いエネルギーとされています。
東日本大震災の際も、電気や都市ガスに比べプロパンガスは一番早く復旧したエネルギーでした。
また調理の際の火力が強く、短時間での調理が可能となります。
ガスボンベは移動可能なので、さまざまなエリアで使用可能です。
すでに導入済みの住宅であれば、改めてガス配管などの費用がかからないのも大きなメリットでしょう。
ただし、プロパンガスは会社により費用がまちまちで、場合によっては適正価格よりも高い契約を続けてしまっている可能性があります。
他社の価格と定期的に比較するなどしなければ、非常に高額な費用を支払っていたというケースもあります。
オール電化にするとガス会社との契約が不要となるため、一般的には光熱費が下がります。
また、火を使用しなくなるため、火災発生リスクは下がります。
子どもがいる家庭や高齢者世帯では、安全性が高まります。
オール電化の際に導入することが多いエコキュートなどの給湯器には200L以上の熱湯が溜まっています。
万が一のときには、このお湯が使用できるのもメリットとなるでしょう。
ただし、電気の供給が止まると使用できなくなります。
また一日に使えるお湯の量が決まっていたり、使用できる調理器具が制限されたりするといったデメリットもあります。
導入コストも高い点は、大きなデメリットでしょう。
プロパンガスとオール電化は、どちらもメリット・デメリットがあります。
導入コストもかかるため、しっかりと検討することが大切です。
検討の際には、信頼できる業者に相談し、改めてメリットやデメリット、コストなどを確認してくださいね。
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