昨今、電気を溜めることができる「蓄電池」の注目が高まっています。
蓄電池とは、その名の通り電気を蓄えることができ、何回でも使うことができるというシステムです。
今回は、蓄電池の仕組み、メリット・デメリットについて解説していきたいと思います。
目次
蓄電池とは、電気を「他の物質」に変換してから蓄えることができる電池のことを言います。
例えばこのように、イメージしてみてください。
傷んだリンゴをそのままにすると、どんどん傷んで食べられなくなってしまいます。しかし、傷んだリンゴをジャムに加工すれば、新しい形でリンゴを食べることができます。
蓄電池も電気をそのままの状態で保存することはできないのですが、他の物質に変えてしまうことで、電気を蓄えることが可能になります。
蓄電池は「正極」と「負極」に分かれています。
負極から正極に電子が移動すると「放電」されて、電気を使用することが可能となります。
一方、正極から負極に電子が移動すると「充電」されて、蓄電することが可能となります。
一般的な乾電池を見てもらうと「+」と「-」があります。
「+が負極」「-が正極」となっていますので、乾電池を想像すると蓄電池のメカニズムも分かりやすいでしょう。
蓄電池には大きく分けて5つの種類がありますが、基本的に主流となっているのは「リチウムイオン蓄電池」です。
では、リチウムイオン蓄電池を含めた5つの種類の蓄電池について、特徴や寿命などを比較しながらご紹介します。
●リチウムイオン蓄電池
スマートフォン、パソコンに使われており、安全性が高いと評されています。
寿命は6~10年程度となります。
●NAS蓄電池
300℃という高熱でなければ作動しないが、資源はとても豊富なので安く提供されています。
寿命は制限がないので、かなりの長寿命となっています。
●ニッケル蓄電池
急速充電ができることで知られており、リチウムイオン蓄電池が主流になる前に多く使われていました。
寿命は5~7年程度となっています。
●鉛蓄電池
費用が安価で、車のバッテリーに使われています。
寿命は17年となっています。
●レドックスフロー
安全性が高く、ほとんど劣化しないので次世代の蓄電池と言われています。
寿命は制限がないので、長寿命となっています。
蓄電池のメカニズムや種類などを理解したら、お次はメリットについて知っていただきましょう。
ここ最近は、日本で様々な災害が多く見られるようになりました。
災害が起こった時、「停電」になると困ってしまいます。
そんな時に「非常用電源」として、蓄電池を活用することが可能です。
蓄電池の中には、停電した時に「この家電を使えるようにしたい」と設定しておくことができるものもあります。
また、24時間継続して電気を使うことができるという蓄電池もあります。
停電が数分で終わればいいですが、長時間または数日の停電になった場合には蓄電池があると便利です。
蓄電池を設置することによって、太陽光発電の効率をよくさせることが可能です。
太陽光発電システムで発電が行われない時に、蓄電池に溜まっている電気を使うことができます。
パワコンと蓄電池が一体化しているものを使うと、省スペースでも設置が可能です。さらに効率もアップするので、パワコンと蓄電池はとても相性がいいです。
メリットがあれば、デメリットもあります。蓄電池のデメリットを3つご紹介しますので、ご検討の際には参考にしてください。
蓄電池には、先ほどもお伝えしたように寿命があります。メーカーや種類によって寿命は異なります。
必ず寿命があるものなので、製品選びにも慎重になる必要があります。
蓄電池のメーカーや種類によって、ご家庭で活用ができないというケースがあります。
導入する時には、環境などを考慮して蓄える電気の量、使える電気の量をしっかり確認しましょう。
蓄電池は直射日光が当たらず、風通しの良い場所に設置しなければなりません。
ですから、場所を確保しなければいけないというデメリットがあります。
家の中、敷地内に蓄電池を置くためのスペースが用意できなければ、設置することができなくなります。
蓄電池には様々な種類やメーカーがあります。
住環境と種類がマッチするものを選ぶことで、うまく家庭内で蓄電池を活用することができます。
そのためには、しっかりと蓄電池の種類を選別していくことが重要なポイントとなります。
蓄電池の良さをフル活用できるように、設置環境について考えてみましょう。
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